DNSのリソースレコード
DNSのゾーンファイルは数種類のリソースレコードで構成されています。リソースレコードの種類を解説します。
Aレコード
ドメイン名に対するIPv4アドレスを記述します。
www.example.com. IN A 203.0.113.101
ホスト名のみでも記述できます。
www IN A 203.0.113.101
1つのサーバに複数のホスト名を設定することもできます。
www IN A 203.0.113.101
web IN A 203.0.113.101
AAAAレコード
ドメイン名に対するIPv6アドレスを記述します。
www.example.com. IN AAAA 2001:db8:1111:2222:3333:4444:5555:1001
MXレコード
メールの届け先となるメールサーバを記述します。
通常Aレコードも同じゾーンファイルに記述します。
example.com. IN MX 10 mx1.example.com.
example.com. IN MX 20 mx2.example.com.
mx1 IN A 203.0.113.25
mx2 IN A 203.0.113.26
10と20は優先度です。小さい方が優先です。上の例ではmx1が優先して使われるメールサーバです。
NSレコード
ドメインを管理しているDNSサーバ、管理を委任しているDNSサーバを記述します。
example.comのDNSサーバがns1.example.comである場合の例です。
通常Aレコードも同じゾーンファイルに記述します。
example.com. IN NS ns1.example.com.
ns1 IN A 203.0.113.53
次は、管理を委任するDNSサーバを記述する例です。
委任先のネームサーバ:ns1.sub.example.com
委任するサブドメイン:sub.example.com
委任先のネームサーバのIPアドレスもAレコードで一緒に記述します。
本来このAレコードは委任するサブドメインのゾーンで記述する内容です。
しかし、リゾルバがns1.sub.example.comの情報も調べる必要があるため、一緒に記述します。
sub.example.com. IN NS ns1.sub.example.com.
ns1.sub.example.com. IN A 203.0.113.153
CNAMEレコード
ホスト名の別名を記述します。
本来のFQDN(www.example.com)の別名(web.example.com)を指定する例です。
web.example.com. IN CNAME www.example.com.
その他のリソースレコード
SOAレコード
ゾーンの管理情報を記述します。ゾーンファイルの最初に記述します。
PTRレコード
IPv4アドレス・IPv6アドレスに対するドメイン名を記述します。
DSレコード
ゾーンで使用される公開鍵のダイジェスト値を記述します。DNSSECで使用します。
TXTレコード
コメントを記述します。ドメインの所有権やSPF(Sender Policy Framework)など、多目的で使われます。
SPFではTXTレコードに「送信メールサーバのIPアドレス」を記述します。
午前問題の出題
午後問題の出題
CNAME使った置き換え
平成29年度 午後Ⅱ 問1 設問3(1)
同じホスト名で別サーバにアクセスさせたい場合の問題で出題されました。
weblive IN A i6
↑
B社CDNを適用する場合には、次のレコードに置き換える。
weblive IN CNAME webasha.bshacdn.example.net.
正解はCNAMEです。